世界初 歯の細胞で虫歯治療へ|NHK 兵庫県のニュース
世界初 歯の細胞で虫歯治療へ
06月26日 14時05分
親知らずなどの歯から特殊な細胞を取り出して移植し、虫歯で神経を失った歯を再生させる治療法を、神戸市の民間企業の研究グループが開発しました。
グループによりますと、こうした治療の実用化は世界初だということで、今月にも治療を開始したいとしています。
虫歯の治療は、歯の神経が含まれる「歯髄」を取り除いて人工物を詰める治療方法が一般的で、歯髄を取り除くと痛みはなくなる一方、歯が抜けたり、割れたりするリスクが高まることが指摘されています。
こうしたなか、神戸市中央区の民間企業の研究グループは、再生医療の技術を応用した、新たな治療法の開発に成功したと発表しました。
治療法では、まず、抜いた親知らずなどの歯の歯髄から「幹細胞」を取り出して培養します。
そして、虫歯で神経を失った歯の中に移植して神経を再生させるもので、今月、厚生労働省に治療計画が受理されました。
研究グループによりますと、歯髄幹細胞を使った歯の治療法が実用化されるのは、世界で初めてだということで、従来の治療法に比べてより長く歯を保てることが期待されるとしています。
研究グループは、今月にも、治療を開始したいとしていて、中島美砂子リーダーは、「歯髄幹細胞を用いた再生医療は、健康寿命を延ばすひとつのかぎになる。今後は、一般の歯科クリニックでの普及にも取り組みたい」と話しています。