富士フイルム、骨材の治験開始 欧州で、歯科治療向け:時事ドットコム
富士フイルム、骨材の治験開始 欧州で、歯科治療向け
2020年10月12日20時03分
富士フイルムは12日、骨の形成を促進する骨補填(ほてん)材の治験(臨床試験)を9月下旬から欧州で始めたと発表した。歯科・口腔(こうくう)外科領域が対象。インプラントの土台に必要な骨を再建する材料としての有効性や安全性を確認する。
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治験では、抜歯後のくぼみに骨補填材を入れて新しい骨に置き換わる経過を確認する。富士フイルムが開発したこの材料は、人工的に作られたタンパク質を成分とし、安全性が高く、骨を形成する骨芽細胞と密着性が高いのが特長。また、骨補填材を加工することで、栄養分が豊富な血液を保持しながら骨の形成を促進する。
富士フイルムによると、歯のインプラント治療では、インプラントの土台として、患者のあごなどの骨を採取し、移植するケースが多い。ただ、採取できる量に限りがある上、患者への身体的負担が大きいのが難点だった。富士フイルムは有効性と安全性を確認できれば、医療機器としての認証を取得し、2023年度の販売開始を目指す。