発見!先進の現場(63)協和デンタル・ラボラトリー 歯科用補綴物製作
発見!先進の現場(63)協和デンタル・ラボラトリー 歯科用補綴物製作
[ 機械 ]
発見!先進の現場(63)協和デンタル・ラボラトリー 歯科用補綴物製作
(2018/8/24 05:00)
協和デンタル・ラボラトリー(千葉県松戸市)は補綴(ほてつ)物などを製作する歯科技工所だ。同市内に「CAD/CAMセンター」を構え、いち早くCAD/CAM(コンピューター利用設計・製造)システムを導入。3Dプリンターや口腔(こうくう)内スキャナーなど先進技術を取り入れ、「匠(たくみ)の技」との融合を図っている。
木村健二社長は「歯科技工の世界はこの30年で様変わりした。CAD/CAM化が急速に進み、次の時代も大きな変化が待っている」と指摘する。変革期にある中、同社が取り組むのが情報通信技術(ICT)などデジタル化の推進だ。
2014年に沖縄県に開設した営業所。ここではインターネット環境を活用し、本社にあるソフトウエアを遠隔操作。本社の担当者と同画面を共有し、技工物の製作や治療計画の立案を推進。診療現場の医師ともつなぎ、豊富な種類のあるCAD/CAMの利用を遠隔でサポートする。
営業所はマンションの一室にあり、技工所にある加工設備や集塵機などはない。「パソコンとソフトがあれば時と場所を選ばない。デジタル化に不安もあるが、新しい仕事が生まれる可能性もある。良いものを作れば、世界とも取引できる」(木村社長)。
業界では技工士不足が課題だ。沖縄営業所の開設も入社10年がたち、帰郷を考えていた従業員をつなぎとめることがきっかけだった。デジタル化は人材の採用・確保の有力な手段にもなる。
協和デンタルは87年に設立。人が集い、和が生まれるというのが社名に込めた思いだ。木村社長は「コマは軸がしっかりしていないと回転しない。軸となる、道徳や人間関係といった"ソフト"の部分も大事にしたい」と力説する。転換期をチャンスととらえ、挑戦していく。(村上毅)(金曜日に掲載)
(2018/8/24 05:00)
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