診療報酬詐欺:元警官、無罪主張 大阪地裁初公判 - 毎日新聞
元警官、無罪主張 大阪地裁初公判
大阪市浪速区の歯科医院で診療報酬約400万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元大阪府警巡査部長、今野作治被告(57)は28日、大阪地裁の初公判で「不正請求をしていないし、共犯者と話し合ったこともない」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。
共犯として有罪判決を受けた男性(31)=執行猶予中=も検察側の証人として出廷し、「取り調べで誘導があった」と証言。捜査段階で今野被告の関与を認めた調書の内容を否定した。
起訴状によると、今野被告は2015年10~11月、歯科医師(46)=懲役3年、執行猶予5年の判決が確定=ら6人と共謀し、延べ120人を診療したように装い、診療報酬計約400万円をだまし取ったとされる。今野被告以外の6人は全員、有罪判決が確定している。
検察側は冒頭陳述で、今野被告が15年5~6月、元整骨院経営者(35)らと不正請求を計画し、診療報酬を歯科医師から取り上げた上で、共犯者と分け合ったと指摘した。
一方、弁護側は今野被告は歯科医院の経営相談に乗っただけで、不正請求は知らなかったと反論した。
共犯とされた元経営者の部下の男性は弁護側の証人尋問で、「警察官の誘導で事実と違う調書が作られた」と証言。警察官から「子供小さいやろ。いつ出られるかわからんぞ」と言われ、保釈してほしいとの思いで調書に署名したと主張した。【遠藤浩二】