歯科用樹脂材の新工場 山本貴金属地金 高知・香南で今秋稼働


 高知県に製造拠点を置く歯科材料メーカーの山本貴金属地金(大阪市)は同県香南市に新工場を建設し、今秋に稼働させる。総投資額は約11億円。コンピューターを使って加工する歯科用樹脂材料の生産拠点とする。同県内で3カ所目の工場で事業拡大を目指す。

 新工場は「高知第三山南工場」。鉄骨2階建てで延べ床面積は約2千平方メートル。11月ごろに本格稼働し、製品出荷を始める。新規に約30人を雇用する。CAD/CAM(コンピューターによる設計・製造)装置を使って加工する歯科用の樹脂ブロックを生産する。

 樹脂ブロックによる歯科治療は2014年に保険診療対象になり需要が拡大している。新工場稼働で数年後に樹脂ブロックの売上高を現在の年6.3億円から2~3倍に引き上げる目標。

 同社は金地金などの販売業として1957年に創業。歯科材料や電子部品材料などに事業領域を広げてきた。高知県には91年に進出した。

 創業60年に合わせて7月1日付で社名を「YAMAKIN(ヤマキン)」に変更する。近年は歯科材料の販売先が欧州やアジアの約25カ国に広がっており、海外市場も意識してローマ字表記の社名に変更する。

 ▼歯科用樹脂ブロック 歯の詰め物やかぶせ物をつくるために使う樹脂でセラミックなどを混ぜて強度を高めている。歯科技工士が手作業で使う樹脂は粘土状だが、コンピューターを使って機械加工しやすいようにブロック状に固めている。製品の品質向上や技術の普及を背景に、樹脂ブロックを使った歯科治療は2014年に保険適用となった。

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