ナカニシ、北米で歯科治療器具の販売強化
ナカニシ、北米で歯科治療器具の販売強化
歯科治療器具などを製造するナカニシは、米国など北米地域で歯科製品関連の販売を強化する。虫歯切削の動力源に電気モーターを採用した製品を拡販。競合他社より切削効率が高く機能も多いが、割安である点を売り物に歯科医の需要を開拓する。北米市場は欧州や日本国内に次ぐ柱。2018年12月期は為替の影響を除いた現地の売り上げを前期比8%増やす。
28日に東京都内で開いた17年12月期決算説明会で明らかにした。ナカニシが北米での事業のけん引役と期待するのは、現地で昨年夏に発売した電気モーターの新製品「NLZ」。北米では、空気で羽根車を回す「エアータービン」式の高速回転機構を使い歯を切削する器具が主流。これに対し電気モーターで回転させる方式で競合との違いを打ち出す。
NLZの回転力は従来の自社製品に比べ20%高い。器具を扱う際のやけどを防ぐ安全機能に加え、通常の虫歯だけでなく歯の根管治療にも対応できる機能も備え他社品より割安感を出した。
ナカニシの売上高全体(17年12月期は前の期比8%増の343億円)の8割強を占める歯科関連事業では欧州の比率が3割強と最も高い。次いで約2割の日本国内と北米が続く。今期は北米を57億円と前期から4億円上積みする計画だ。