3Dプリンターで歯型づくり25分 米ストラタシスなど


3Dプリンターで歯型づくり25分 米ストラタシスなど

 あなたの歯型、25分でつくります――。3Dプリンター世界大手の米ストラタシスの日本法人、ストラタシス・ジャパン(東京・中央)は5日、歯科矯正に使うマウスピースの製造サービスに同社のプリンターが採用されたと発表した。マウスピース製造に必要な歯型を3Dプリンターでつくることで、製造時間の短縮やコスト削減につながるという。

ストラタシスの3Dプリンターでつくった歯型(手前右)を型にして歯科矯正用のマウスピース(同左)を製造する。奥はインプラント用の歯科技工物(5日、東京・中央)

 「3Dプリンターはさまざまな方法があるが、ほかに比べても圧倒的な生産性を実現できる」。同社社長の片山浩晶氏は東京都内での記者発表会で強調した。矯正用マウスピースをつくるための歯型は従来、患者の口から採った石こう製の歯型を歯科技工士が手で分解し、並べ直してつくっていた。同社のインクジェット方式のプリンターを使えば、従来の約4分の1の25分で歯型をつくれるようになる。

 歯科矯正装置を手がけるASOインターナショナル(東京・中央)がストラタシスのプリンターを新たに3台導入し、これでつくった歯型で樹脂製の透明なマウスピースの矯正装置を製造するサービスを4月に始める。プリンターで歯型を出力するための患者の歯の3Dデータは、歯科医院から送られてくる石こう型をASOでスキャンして作成する。マウスピースの製造コストを30%削減できるという。

 3Dデータは歯科医院で専用機器を使って直接口のなかをスキャンして作成し、ASOにデータだけ送ることも可能。

 ストラタシスは3Dプリンターを使って、航空機部品や医療機器などの少量生産の最終製品を製作する用途の拡大に注力している。歯科矯正装置向けの歯型などをつくる用途は米国などで実績があるが、国内では初という。