成田デンタル 歯科医に歯型測定3Dスキャナー販売


成田デンタル 歯科医に歯型測定3Dスキャナー販売

南関東・静岡
2018/1/15 23:00
情報元
日本経済新聞 電子版
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 入れ歯、差し歯など歯科技工物の製作を受注している成田デンタル(千葉市)は、歯科医向けに歯型のデータを簡単に測定できる3Dスキャナーの販売、レンタルを始めた。歯の模型を作って差し歯などを加工する従来の手法に比べ、作業時間を大幅に短縮できる。歯科医からデジタルデータで受け取れば、自社で受注する技工物の製作も効率化できる。歯科技工士は減少傾向で、効率化とともに人手不足に対応する狙いもある。

3Dスキャナーを口に入れ歯型のデータをとる

 口内を撮る3Dスキャナーは歯科医師が片手で持てる棒状の機器で、歯をなぞるようにして歯型のデータをとる。これまではガム状の材料で歯型を取ったうえで石こうの模型を作る必要があり、1時間ほどかかっていた。スキャナーを使えば約5分で全ての歯のデータをとることができる。

 歯を削る前のデータをあらかじめ取っておけば、削った後のデータと照らし合わせて容易に差し歯の設計ができる。従来は歯科医から送られてきた石こうの歯型をもとに設計していたため、技工士の熟練度によって出来栄えに差が出ていた。平均で1週間かかっていた技工物の納期は5日ほどに短縮できる。

 同社は約3億円を投じ、デンマークの企業が開発した機器を100台購入した。スキャナーの販売価格はカラー画像の場合で1台約400万円。高額な費用が足かせとなって導入をためらう歯科医が多いとみてレンタルも手がける。1カ月の貸出料は5万~10万円。レンタルの場合は技工物の発注を同社へ行うよう求める。これにより技工物の受注を従来比1割増の月4000本に増やす。

 厚生労働省によると、16年末時点の歯科技工士数は3万4640人で、00年に比べ7%減った。特に若年層の減少が顕著で、30歳未満の割合は23.5%から11.6%に低下した。

 同社は自社でも技工士を抱えるが、技工物はほとんどを外注している。だが今後、業界全体で人手不足が加速するとみて、デジタル化を進める考えだ。同社は1983年設立。2018年2月期の売上高は前期比1割増の86億円を見込んでいる。

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