デンタライト、歯のデータ アプリで確認、歯科診療所向け
デンタライト、歯のデータ アプリで確認、歯科診療所向け
歯科診療所向けシステム開発のスタートアップ企業、デンタライト(福岡市)は患者の歯のデータをクラウド上に自動で整理し、患者自身もスマートフォン(スマホ)で確認できるサービスを始める。患者は自ら画像を送って助言を受けることもできる。診療所はパソコンで管理する従来方法に比べて負担が減り、患者に対するサービスも高まる。2019年末までに2000件の契約を見込む。
開発した「ジニーメモリー」は、インターネットに接続する機能もあるハードディスク「NAS」を使う。患者の口内レントゲン画像を保存するサーバーや、写真と問診票、歯周病の検査結果のデータを保存するパソコンなどとつなぐ。NASが患者番号によって自動でクラウドにデータを保存・整理する。
クラウドのデータは事前に設定した診療所のパソコンから閲覧できるほか、患者もデンタライトが提供する健康管理アプリ「マイデンタル」で確認できる。アプリを通じ、患者からも例えば子どもの日ごろの食事の様子などを撮影した写真を送信する機能も付ける。来院時に歯科医から食べ物のかみ方や姿勢について指導を受けられる。
NASの購入代金を含む初期費用は税別で29万6000円。このほか、クラウドの使用料などで月額税別9800円からかかる。テスト販売ですでに10件前後の歯科診療所が導入している。
デンタライトは患者の予約状況などを管理するシステム「ジニー」を提供している。当初は18年末をメドに2000件の契約を目指したが、足元では110件程度にとどまっている。藤久保元希社長は「新サービスの開発などもあり、営業に注力しきれなかった」と説明。ベンチャーキャピタル(VC)などから新たな資金調達も検討し、営業人員を増やす方針という。(高城裕太)
デンタライト 2013年設立のスタートアップ企業。歯科診療所向け予約管理システムなどを手がけ、18年9月期の売上高は約2000万円だった。米有力ベンチャーキャピタル(VC)500スタートアップスの日本ファンドなどが出資する。藤久保元希社長は広告代理店出身で、歯科診療所のマーケティングなどを担当していた。