【快適睡眠研究】睡眠時無呼吸症候群“治療装置”を実体験 翌朝起きた時の感想は…


【快適睡眠研究】睡眠時無呼吸症候群“治療装置"を実体験 翌朝起きた時の感想は… (1/2ページ)

2017.8.28

 睡眠時無呼吸症候群と診断された中年記者。念願の“治療装置"が完成した。下顎を前に付き出すマウスピースだ。これを装着して寝ると、いったい、どんな快適睡眠がもたらされるのか-。

 睡眠時無呼吸症候群の治療法は大きく二つ。一つは「シーパップ」という機械を装着するもの。機械から送られる空気を、鼻を覆うように装着したマスクから半ば強制的に送り込む仕組み。これは重症患者向け。

 一方、比較的軽度の患者に用いられるのがマウスピースだ。下顎を前に出すように固定することで、睡眠中も舌の根元や喉の筋肉が落ち込まないようにして気道を確保する。

 睡眠中の呼吸状態や酸素飽和度を検査し、「軽度の睡眠時無呼吸症候群」と診断された52歳の記者は、東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科外来でマウスピース作製に踏み切った。

 「型取り」から2週間。診察室で待っていると、同科科長の秀島雅之歯科医師が、「できましたよ!」と、笑顔で持ってきてくれた。早速はめてみる。

 プラスチック製で、想像よりはるかに硬い。この時点では上下が別々に離れているが、装着した状態で噛み合わせ、位置を調整したところで接着材で上下を合体させる。

 「上の歯にはピッタリ密着させ、下のマウスピースは少し余裕を持たせるのがコツ。はずれる時は下のマウスピースがはずれるようにすることで、下顎への負担を小さくできます」(秀島科長)

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2017.8.28

 早速その夜、装着して寝る。ちょっと「総入れ歯」の人の気分になる。確かに下顎が前に出て受け口になっている感じはあるが、実際にはそれほど出てはいない。上下の前歯の先端が接触する位置-といったイメージ。言い換えれば、普段自然に口を閉じた時の下の前歯は、上の前歯の裏側に当たっていたことに気付かされる。

 翌朝起きた時の感想は、「喉が痛い!」。

 どうやらマウスピースを入れたことで、一晩中口を開けて寝ていたらしい。口の中がカラッカラに乾ききっていたのだ。そこで翌日は口にテープを貼って閉じた状態を維持して就寝。今度はうまく行ったようだ。それまで目が覚めた時にたびたび感じていた頭重感がない。体も頭も熟睡できたようだ。夢にまで見た快適睡眠を、グッと引き寄せたようだ。

 「マウスピースは最初は違和感があっても、使ううちになじんでいきます」と秀島科長。

 ここまででかかった医療費総額(3割負担)は1万4070円であった。 (長田昭二)

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