MR技術で歯科手術 ソフトバンクなどが開発 | NHKニュース
MR技術で歯科手術 ソフトバンクなどが開発
4月21日 16時54分
現実の風景にコンピューターが作り出した仮想世界を重ねるMR=複合現実と呼ばれる技術を使って歯科手術を支援するシステムを大手通信会社などが開発しました。
MR=複合現実は、現実の風景にコンピューターによる3Dの映像を重ねて表示する最先端の技術で、SF映画のような映像を作り出すことができます。
この技術を使って通信大手のソフトバンクグループと大阪の医療機器メーカー、モリタが歯科手術を支援するシステムを共同開発しました。
歯科医師が専用のゴーグルを装着すると、目の前にいる患者の歯に、あらかじめ撮った本人の神経や骨、血管などのコンピューター映像が重ねて表示されます。歯科医師は、ゴーグルを装着したままで、実際は見ることができない神経などの映像を参考にしながら、手術を進めることができる仕組みです。
また、ゴーグルには手の動きを感知するセンサーが搭載され、手ぶりによってカルテを呼び出したり、映像を拡大したりすることもできます。
このシステムは、再来年には歯科医師の研修用にまず導入し、その後、手術での実用化を目指すということです。
開発に当たったソフトバンクグループの勝本淳之さんは「MRの市場はまだこれからだが、拡大が期待される分野で医療以外にも応用が期待される」と話していました。
複合現実とは
MRは英語のミックスド・リアリティー=複合現実の略語で、現実世界と仮想世界を融合させた映像を作り出す技術です。
SF映画に登場するホログラムのような3D映像が特徴です。MRの呼び名に似た技術では、VR=仮想現実と、AR=拡張現実があります。
VRは、去年、ソニーが家庭用ゲーム機の機器として発売しましたが、映像はコンピューターが作り出したものが基本で、ゴーグル型の端末を装着すると周囲にある現実の風景からは遮断されます。
ARは、現実の風景にコンピューターによる画像を重ね合わせる特徴ではMRと同じですが、CG映像を手ぶりで操作することはできません。ARの技術は、去年、世界的なヒットとなったゲームアプリ、ポケモンGOで一躍、注目されました。
このVRとARのそれぞれの技術を発展させた形のMRは、医療の分野だけでなく、さまざまな分野での活用が期待されています。
マイクロソフトは、建設現場で作業員が設計図を確認しながら作業を行ったり、航空会社が航空機の操縦やエンジンの整備の訓練で活用したりといった形ですでに実用化しています。
導入した新潟県の建設会社、小柳建設の小柳卓蔵社長は「建設業界は担い手が不足し、熟練の技能者も減っている。MRで現場の負担を減らしたい」と話していました。日本マイクロソフトの平野拓也社長は「MRは現実世界と合わせることで肌感覚で立体映像が見えるので医療や教育など応用例がどんどん出てくる」と話していました。
SF映画に登場するホログラムのような3D映像が特徴です。MRの呼び名に似た技術では、VR=仮想現実と、AR=拡張現実があります。
VRは、去年、ソニーが家庭用ゲーム機の機器として発売しましたが、映像はコンピューターが作り出したものが基本で、ゴーグル型の端末を装着すると周囲にある現実の風景からは遮断されます。
ARは、現実の風景にコンピューターによる画像を重ね合わせる特徴ではMRと同じですが、CG映像を手ぶりで操作することはできません。ARの技術は、去年、世界的なヒットとなったゲームアプリ、ポケモンGOで一躍、注目されました。
このVRとARのそれぞれの技術を発展させた形のMRは、医療の分野だけでなく、さまざまな分野での活用が期待されています。
マイクロソフトは、建設現場で作業員が設計図を確認しながら作業を行ったり、航空会社が航空機の操縦やエンジンの整備の訓練で活用したりといった形ですでに実用化しています。
導入した新潟県の建設会社、小柳建設の小柳卓蔵社長は「建設業界は担い手が不足し、熟練の技能者も減っている。MRで現場の負担を減らしたい」と話していました。日本マイクロソフトの平野拓也社長は「MRは現実世界と合わせることで肌感覚で立体映像が見えるので医療や教育など応用例がどんどん出てくる」と話していました。