【シゴトを知ろう】歯科衛生士 編 | 進路のミカタニュース
【シゴトを知ろう】歯科衛生士 編
2020.01.27
提供:マイナビ進学編集部

歯医者さんの診療をサポートする歯科衛生士。多くの方が一度はお世話になったことがあるはずです。今回訪れたのは、山梨県昭和町にある「あまね歯科医院」。歯科衛生士として勤務する深澤未来さんに、お仕事の内容や楽しさなどを伺います。
診療補助から片付けまで、業務は多岐にわたる
Q1.お仕事の概要と一日のスケジュールを教えてください
歯科医院で、歯科衛生士として勤務しています。衛生士の役割は主に、診療中のドクターをサポートする「診療補助」、歯石除去や口腔内のクリーニングといった「予防処置」、歯磨き指導などの「保健指導」です。また、歯周病の治療や、診療に使う材料や機材の準備・片付け、診療に使う器具の管理、患者さんとのコミュニケーションまで、さまざまな業務を行います。
<一日のスケジュール>
8:40 出勤 院内の清掃など
9:15 朝礼
9:30 午前診療開始
13:30 午前診療終了 休憩
14:45 午後診療の準備
15:00 午後診療開始
17:00 退勤 ※パート勤務のため早めに退勤
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
自分が治療を担当した患者さんの口腔内の状況が、良くなっていくことがやりがいです。治療は患者さんとの二人三脚。私たちの処置だけでなく、ご本人のケアも大切です。歯磨き指導などを通して、患者さんご自身の意識が高まり、痛みや出血がなくなったときはうれしいですね。
また、患者さんが名前を覚えてくれて、「次もお願いね」と言ってもらえることも喜びです。
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
体力勝負なところでしょうか。診療中は動きっぱなしで、トイレに行く時間がない日もあります。体の具合が悪いと動けないので、体調管理はきちんとしなくてはいけません。
また、常に全体を見渡していないと、仕事が円滑に進みません。診療そのものだけではなく、準備から片付けなど、その裏にある仕事も意識した、先を読んだ行動が大切。やることがたくさんあるので、気を回すのは大変ですね。
座学に実習… 大忙しだった専門学校時代
Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
5歳離れた姉が看護師だったので、その姿を見て「すごいな、カッコいいな」と憧れました。それが、医療関係の仕事を希望したきっかけです。
そして、安定していて就職率も良い歯科衛生士になろうと思い、専門学校に進みました。国家試験に合格して歯科衛生士になり、地元の歯科医院に正社員として5年間勤務。結婚を機に転居して、当院に移りました。
Q5. 大学・専門などでは何を学びましたか?
私は、2年制の歯科衛生専門学校に通いました。最初は、生物学や化学・栄養学などの基礎知識の他、解剖学・薬理学・病理学など医療に関する知識を身につけます。その後、歯科衛生について、座学や実習を通して専門的に学習。2年生になると「臨床実習」があり、3軒の歯医者さんをまわって、現場で実習させてもらう機会もありました。
2年間で学ぶ範囲はとても広く、一生のうちで一番勉強したと今でも思います(笑)。今は制度が変わって、専門学校は3年制以上になったので、少しはゆとりがあるかもしれません。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
高校生の時は、医療関係の仕事を進路に決めていました。ただ、具体的に何を目指そうかはずっと迷っていたんです。動物が好きだったので、動物看護師になりたかった時期もありましたね。
医療の仕事は、新しい知識を常に学ばなければいけなかったり、日々さまざまな患者さんと話す機会があって、自分自身の成長につながるはず。高校生のときのそういう思いは、今の仕事につながっていると思います。
勉強や部活で頑張れば、必ず自分の力になる
Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?
医療は日々進歩しているので、新しい知識を取り入れていく必要があります。それに抵抗のない、勉強熱心な人は向いています。衛生士の業務の範囲は広いので、細かいことによく気がつく人も良いですね。
また、技術職なので、手先が器用なら細かい作業が苦にならないと思います。ただ、そこは練習を重ねることでカバーできる部分でもあります。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
私は高校時代、吹奏楽部に所属していました。顧問の先生も厳しく、すごく大変だったんですが、体力や忍耐力はつきました(笑)。そして、みんなで息を合わせて合奏するために努力を重ねたことで、広い視野で全体を見る力が養えたのはすごく良かったです。
みなさんも、自分が興味があることはなんでもチャレンジしてみてください。高校生は勉強に部活に大変ですが、精一杯取り組むことで、知らず知らずのうちに自分の力になっていきます。身につけた知識や体力、技術などは、どこかで必ず役に立ちますよ。
看護師として活躍するお姉さんに憧れて医療業界を目指した深澤さん。夢を叶えて、歯科衛生士としてのキャリアを積んでいます。目の前にある仕事だけでなく、ドクターや同僚の動き、診療の流れを考えながら、テキパキと業務をこなす姿は、まさにプロフェッショナル。高校時代の部活での経験や、専門学校での猛勉強が、今の深澤さんを支えているのかもしれません。私たちも、何事にも精一杯取り組む姿勢を忘れないようにしたいですね。
【profile】あまね歯科医院 歯科衛生士 深澤未来